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テンプレート:ネタバレ冒頭 風の谷のナウシカの登場人物(かぜのたにのナウシカのとうじょうじんぶつ)は、宮崎駿漫画風の谷のナウシカ』、およびこれを原作とするアニメーション映画・ゲーム作品に登場する架空の人物について説明する。

おもに原作の漫画版の設定を記述し、映画版の設定についても併記する。漫画のみに登場する場合は(原)、映画版のみに登場する場合は(映)と表記する。

風の谷[]

ナウシカ
声 - 島本須美
本作のヒロインである16歳[1]の少女。風の谷の族長ジルの末娘で、母や10人の兄・姉たちは腐海の毒で亡くなっている。父には深く愛されていたが、10人の兄弟を失ったがゆえか母から愛情を受けずに育った。谷の少女達を妹のように可愛がり、「姫姉さま」と慕われている。
「風使い」として大気の流れを読み、凧(メーヴェ)を自在に乗りこなす。「腐海辺境一の剣士」ユパ・ミラルダに師事し、トルメキアの精鋭装甲兵を一騎討ちで倒すほどの剣術の腕前をもつ。トリウマのカイに乗り、キツネリスのテトを可愛がっている。
腐海にある生命も等しく愛しい存在である。密かに腐海の植物を城の地下で育て、腐海から出る毒は大地と水の毒を吸っているからだという事に気付いている。生き物の心を理解し、テレパシー(念話)の能力も持つようになる。
同盟国トルメキアから出兵要請を受けて、病床の父ジルに代わり風の谷の代表となり、クシャナ率いるトルメキア軍の作戦に従軍する。敵対する土鬼(ドルク)の人々とも手を取り、持ち前の行動力とまっすぐな心で多くの困難に立ち向かい、世界の秘密に迫っていく。母性的な性格で、覚醒した巨神兵を諌める為に「オーマ」の名を授け息子とした。土鬼の聖都シュワの墓所において、墓所の主から世界再生のシナリオを知らされるが、協力を拒み、汚れた大地に生きてゆく決意を示す。その後は土鬼の地で暮らし、チククの成人後風の谷に戻った、あるいは森の人の元へ去ったとも伝えられる。
映画版では捕虜としてトルメキア軍に連行され、風の谷に迫る危機を回避するため奔走する。人と自然を調和に導く伝説の救世主的キャラクターとして描かれるが、その後に連載された原作ではそのような記述は抑えられている。
名前の由来はギリシャ神話に名を残すナウシカアより。胸が大きいという設定である。監督の宮崎駿はロマンアルバム「風の谷のナウシカ」のインタビュー内で「城オジやお婆さんたちなど、死んでいく人をその胸の上で抱きとめてあげる為に大きい」と語っている。
ジル
声 - 辻村真人
風の谷の族長でナウシカの父。50歳[2]。妻とナウシカ以外の10人の子に先立たれている。かつては風使いとして名を馳せたが、腐海の毒に侵され病の床に伏せている。原作ではナウシカに谷の行く末を託して病死するが、映画では谷に侵攻したトルメキア兵によって殺害される。
ユパ・ミラルダ
声 - 納谷悟郎
ジルの旧友でナウシカの師。45歳[2]。腐海辺境一と賞される剣豪ながら、争いを好まない人格者で人望も厚い。腐海の謎を解くためトリウマのカイ、クイとともに旅を続けており、各国の文化や歴史にも造詣が深い。
風の谷に久々に帰還する途中、羽蟲にさらわれたキツネリスを人間の子供と勘違いして救助の為に発砲、それに怒った王蟲に追われていた所を、風使いとして成長したナウシカに助け出された。ナウシカがクシャナと共に南方へ向かうと彼女を追って旅立ち、アスベルらと行動を共にする。原作では、大海嘯の後、トルメキアへの復讐に燃える土鬼の女性が放った手投げ弾で左腕を失い、直後に土鬼の戦士の刃からクシャナを庇って死亡した。
城オジ
腐海の毒による四肢硬化で農作業を離れ、城の守りに就いた男性たち。
ミト
声 - 永井一郎
右目に眼帯をしたいかつい風貌の男。40歳[2]。城オジのリーダー格で、ナウシカの忠臣。ジルの遺言でユパとナウシカを探して土鬼領地へ入り、聖地シュワに向かうナウシカを追った。映画版では状況に応じてナウシカやユパと行動を共にし、主にガンシップの砲手や操縦を担当した。寿命が近いことが示唆されているが、映画版では寿命が近いキャラクターが彼からゴルへ変更されている。土鬼語を話せるが上手くは無く、ムズからは「毛長牛が唸っているのかと思った」と言われている。
ゴル(映)、ギックリ(映)、ムズ、ニガ
声 - 宮内幸平(ゴル)、八奈見乗児(ギックリ)、矢田稔(ニガ)
ナウシカの初陣に4人が同行し、ジルの遺言でユパの捜索をしていた時はムズが、土鬼の地へ入った時にはニガが同行した。映画版では人質としてゴル、ギックリ、ニガの3人が同行し、谷に戻るとトルメキア軍の自走砲を奪って反乱を起こす。
大ババ
声 - 京田尚子
100歳を超える腐海辺境一の年寄り。「大海嘯」や「青き衣の者」の伝承を語る。

ペジテ市[]

アスベル
声 - 松田洋治
ペジテ市の王子。16歳[2]。自国を滅ぼしたトルメキアへの復讐心に駆られ、ガンシップに乗りクシャナの艦隊を襲撃する。しかし、墜落した腐海でナウシカと出会い、その意思に賛同して世界を救うためにユパらと行動する。操船術や機械整備に長けており、劇中でナウシカのメーヴェや風の谷のガンシップの応急修理を手掛けている。妹ラステルから預かった秘石をナウシカから渡され、腐海に捨てたと告げながら隠し持ち、巨神兵の復活に際して再びナウシカに託した。
映画版では、巨神兵による腐海の排除に賛同しており、ナウシカから「トルメキアと同じことを言う」と指摘されても考えを変えることは無かったが、目的(トルメキア兵排除と巨神兵奪取)の為に自らの国を滅ぼし、また罪も無い人々(風の谷の民)までも殺そうとする仲間に失望し考えを改め、ペジテの船に捕えられたナウシカの脱出を助ける。一連の事件が解決した後は、ユパと共に旅に出た。
ラステル
声 - 富永みーな
アスベルの双子の妹で、ペジテの王女。16歳[2]。トルメキア侵攻によりペジテ市を脱出するが、乗っていた難民船が追撃をかわすために腐海に侵入した結果、蟲に襲われ風の谷の近辺で墜落する。墜落した船体の残骸の下から瀕死のラステルを発見したナウシカに看取られて息を引き取った。この時、ナウシカに、兄へ渡すようにと巨神兵の秘石を託す。
映画版では、ペジテ市を制圧したトルメキアの大型輸送船に人質として乗せられていた。輸送船が、一緒に積んでいた巨神兵の卵の重さに耐えられずに腐海へ侵入して蟲を殺してしまった為、蟲の追撃を受け風の谷周辺の岩壁に激突、墜落してしまう。原作と同じくナウシカに看取られ、積荷の巨神兵を燃やすよう頼んで息を引き取る。
ペジテ市長(映)
声 - 寺田誠
ラステルの母(映)
声 - 坪井章子

トルメキア[]

クシャナ
声 - 榊原良子
トルメキアの第4皇女。25歳[2]。容姿端麗かつ優れた軍人であり、ヴ王親衛隊である第3軍の最高指揮官として、兵から絶大な信頼と忠誠を得ている。卓越した戦術的能力と部隊全体を鼓舞するカリスマ性から、敵軍勢からは「トルメキアの白い魔女」と呼ばれ恐れられている。思慮深く聡明だが冷徹な態度を貫き、喜怒哀楽など個人的な感情を表に出す事は少ない。しかし母親への侮辱だけは許さず、逆上し怒りをあらわにする事がある。
対土鬼侵攻作戦では自ら錬成した第3軍から引き離され、巨神兵の奪取と腐海の南下を命じられる。戦乱の中、ナウシカやユパとの出会いを経て真の王道に目覚めていく。今際のヴ王から王位を譲られるも即位せずに「代王」となり、後世においてトルメキア中興の祖と呼ばれるようになる。
映画版では過去に蟲に襲われ身体の一部を失っており、左腕は肩から先が義手になっている。巨神兵をトルメキア本国に引き渡す事を良しとせず、その力で腐海を焼き払い、トルメキアからも離反して辺境諸国を統合し、トルメキア本国に対抗しようとしていた。
戦陣を指揮する際は鎧に身を包んでいるが、アクセサリーを身に着けるなどの一面もある。原作では兜の中に、映画版では踵に隠し武器を仕込んでいる。原作では戦死した兵達への手向けとして自ら髪を切るが、映画版では終始ロングヘアを編んだ髪型となっている。
ヴ王(原)
トルメキア国王。本作は彼が起こした戦争「トルメキア戦役」の物語でもある。首が胴体にめり込んだ樽のような肥満体の持ち主で、一人称は「朕(ちん)」。先王の血を引くクシャナの謀殺を図っていた。
第1・第2皇子からは「暴君」、クシャナからも「玉座にしがみ付く老い耄れ」と評されているが、戦利品は全兵士に公平に分配し、巨神兵に対しても恐れることなく堂々と接し、戦闘においては自ら先陣を切るなど王に相応しい度量を持つ人物でもある。
トルメキアで減少し続ける労働力を手に入れるため、また聖地シュワの科学力を手に入れるため、土鬼への侵攻作戦を命じる。当初、戦は子供達に任せていたが、第1、第2皇子の失態に際し、自ら軍を再編してシュワへ急襲を仕掛ける。オーマの介入に遭い全兵力を失うも、墓所の主の元へ案内され、ナウシカと共に墓所の秘密を知る。ナウシカを「破壊と慈悲の混沌」と呼び、最後は墓所の主の断末魔の光からナウシカを庇って虫の息となり、クシャナにトルメキアの王位を譲って息絶えた。
3皇子(原)
クシャナの異母兄である3人の皇子の総称。ヴ王の命で第2軍を率いて土鬼に侵攻する。3人とも父王に容貌がそっくりで、体型も皆同じ肥満体。
第3皇子
3人の皇子の末子。賢い女と生意気な女を嫌う。カボに船の奪取に来たクシャナと遭遇。これを妨害し、彼女を抹殺しようと試みるもクロトワの機転により失敗。そのまま逃げようとするが、蟲に襲われ死亡した。
第1、第2皇子
ヴ王の長男と次男。絶えず2人で行動しており、外見では区別がつかない。戦況が不利になったため、兵を見捨てて先に本国へ逃げ帰ったが、理由をヴ王に問われた際、虚偽の報告や言い訳をしたため叱責され、国境の死守を命じられた。
その後、ヴ王とは別行動でシュワへ向かう際、ナウシカとオーマに接触した。クシャナからは暗愚な小心者と言われているが、本人達はナウシカに対し、「愚者を演じていなければ、殺されていた」と述べている。ナウシカと共に庭の主に捕らわれ、彼の精神操作によって、以後庭に留まリ続ける事となる。音楽と詩に深い造詣があり、シュワの庭に保管されていた旧世界の楽器(ピアノ)を演奏する。
王妃(原)
クシャナの母。クシャナが幼い頃、3皇子の支持者に「心を狂わす恐ろしい毒」を飲まされそうになった際、身代わりにこれを飲み精神に異常をきたしてしまう。以来、クシャナのことを我が子とは認識できない。これが元で、クシャナは父と兄達への復讐を誓うことになる。
クロトワ
声 - 家弓家正
クシャナ配下の軍参謀。軍大学院の学生で27歳[2]。平民出身で家庭は貧しかった為、心の底に野心を秘めている。もともとコルベットの乗員だったため操船術に長けており、兵卒からの叩き上げで出世した上官として兵からの人望も厚い。
表向きは、補佐役として辺境作戦に派遣されたことになっているが、実際はヴ王から、クシャナが持っていると思われた秘石の入手とクシャナの監視・抹殺を命じられていた。当初は忠誠心や部下へ思いやりは見せず、満員のコルベットに乗り込もうとする兵士達を射殺するような行動も取っていた。クシャナがヴ王の企みを見破っていた為、ペジテ視察中や第2軍との合流を勧めた際には殺されかかっている。艦隊の壊滅後、クシャナから企みが露見している事を告げられ、打つ手が無くなった為、クシャナの側に着く。カボの戦闘で重傷を負うが、クシャナに庇われて一命を取りとめ、以後は忠臣として行動を共にする。
映画版ではクシャナ直属の軍参謀として登場。原作にある謀略の手先という設定は削除されている。平民上がりではあるが、トルメキア帝国辺境派遣軍のナンバー2として知略を振るう。クシャナが行方不明になった際には野心を現し、部隊の全権を掌握してペジテのトルメキア軍吸収を目論んだ。
道化(原)
ヴ王の傍らに常に寄り添う、小柄な人物。ヴ王の言動に対しシニカルあるいは不敬ともとれる言葉を投げる。墓所の主までヴ王に随伴し、墓所の主の依り代にされるが生還する。今際の際のヴ王より、クシャナへの王位譲渡の証人に指名される。
おじさん(原)
第3軍士官。固有名称は無くナウシカから「おじさん」と呼ばれていた。初老の男性で、主に炊事や身の回りの世話をする非戦闘員。子供の頃に母親をなくし妹を自らの手で育て上げた。その経験を生かしナウシカの保護した土鬼の子供の世話を快く引き受けていた。しかし、船が消失し、2000人の大所帯となった事で子供2人の世話が困難になり、小麦1袋で乳飲み子を失ったというサジュ族の女性に2人の子を託した。
第3軍から離れ、一人旅立つ事を決めたナウシカを見送った唯一の人物である。
セネイ(原)
第3軍士官。クシャナの忠臣。トルメキア軍の最南端拠点サパタに派遣されていた。指揮官としても優秀で、司令部が状況を把握していないことを指摘し、全滅回避と第3軍再建の基礎を残す為に、将軍に撤退を進言した。クシャナの生存を知った時は感極まって涙を流していた。
攻城砲破壊後カボへ向かったクシャナを、本隊撤退後も待っていたが、ヒドラの襲撃を受け無念の死を遂げた。
将軍(原)
固有の名称は無し。3皇子率いる第2軍からサパタ駐留第3軍第1連隊の指揮官として送り込まれた人物。兵を捨て駒として扱い、兵を戦地に見捨てて自らは戦利品を持って逃げるような人物で、兵士からは「土鬼の出陣前の祈祷が終わる前に逃げ出す」「腰抜け」と陰口を叩かれ、クシャナの逮捕を命じた時は、誰も従おうとはしなかった。
クシャナと共にトリウマに乗って攻城砲破壊に出陣するが、攻城砲の零距離射撃を受け死亡した。

土鬼諸侯連合[]

ミラルパ(原)
「生きている闇」と評された土鬼の神聖皇弟。常人の2倍はあろうかという巨漢。神聖語を扱うことができる。超常の力を持ち、兄ナムリスを差し置いて帝国の実権を握っている。初めの20年は名君として臣民のことを案じていたが、愚かな民衆に絶望し恐怖政治へと移行した。圧政を布いていたが統治者としては有能で、才能のある者を貴賎を問わずに登用し、僧会を効率の良い官僚機構として扱っていた。配下からの忠誠は厚く、本来墓所の主に仕える博士でさえ、ミラルパへの忠義の為にナムリス暗殺を謀っている。
マニ族僧正から、土王信仰に出てくる伝承の青き衣の者と重なるナウシカの存在を聞かされ、危機感を抱き抹殺しようと試みた。トルメキアの侵攻に対しては短期決戦を狙って蟲や瘴気を兵器として用いたが、その末に大海嘯が起こり、国土の大半を腐海に呑まれてしまう。老いと死を何より恐れており、沐浴などの化学的処置で長寿を保っているが、長時間外気に触れる事が出来ない。幼少時のトラウマから肉体移植(ヒドラ化)を拒んだが、肉体が衰弱したところをナムリスにより謀殺された。死後は霊体となり、虚無に陥っていたナウシカの中に入り込む。最後はナウシカとセルムに導かれ、腐海の深部で彼岸へと旅立っていった。
ナムリス(原)
神聖皇帝(神聖皇兄)。帝位に着きながらも超常の力が無かった為、実権を弟のミラルパに奪われていた。体が分解する恐怖を克服し、数度に渡る肉体移植により若いヒドラの体を得ている。晩年のミラルパをも上回る冷酷な性格で、長年の虚無により狂気に支配されている。他人の命は元より自分の命にさえ興味を示しておらず、その血をたぎらせず一生を終えることだけを恐れる。巨神兵を最後の望みとしてトルメキアとの戦争を終わらせ、斜陽の人類の最後の砦を築こうとした。
ミラルパが戦争のため前線視察に赴いている間にシュワの墓所を制圧し、治療のため帰還した弟を謀殺して実権を取り戻す。その後ヒドラを率いて自ら出陣しクシャナを捕縛すると、クシャナのトルメキア王位継承権と第3軍精鋭を持参金として、土鬼=トルメキア二重帝国を目指して政略結婚を図った。弟の手下である僧会の僧達を公開処刑し、巨神兵を引き連れてトルメキアへ侵攻しようとするが、ナウシカの説得で諸侯が離反。戦艦に乗り込んできたナウシカと戦う。自らの苦悩や人間の虚無・矛盾についてナウシカに問い、ヒドラと共に追い詰めるが、その直後覚醒した巨神兵によって体を破壊される。最後は叛乱を起こしたクシャナに墓所の主の存在を明かし、頭部は腐海へ落ちていった。
初代神聖皇帝(原)
ナムリス、ミラルパの父。かつては民衆の救済を願う少年であり、200年ほど前、偶然に庭の主の元を訪れ、そこに古代文明のすべてが残されていることを知り、庭の主を師と仰いでいた。ある日「人類を救いたい」と書き残して庭の主の許から去り、共に連れ出した僅かな数のヒドラと共にクルバルカ家を滅ぼし、降臨と称して土鬼に君臨した。肉体移植により長寿を保とうとしたが、何らかの異常により身体が分解して死亡した。その有様を目の当たりにした事が、ミラルパが移植による延命を拒む理由になっている。
チヤルカ(原)
軍司令官。僧兵上がりで超常の力は無い。平民出身であったが、優秀なものは登用する皇弟ミラルパに取り立てられた為、彼への忠誠心は強い。トルメキア第3軍が立て籠るサパタ市の包囲を行っていた。クシャナらの攻撃による攻城砲全滅の責任を負って、軍法に従い司令官を解任されるが、その後も重用された。ナウシカやチククとの出会いにより国土や国民を大海嘯から救おうとする。ナウシカに救出された際、右腕を骨折した為、それ以後作中ではずっと右腕を固定している。死亡したと思われた際に僧会の幹部から「チヤルカを失ったのは皇弟様や我々にとって痛手となった」と言われ、ナムリスにも「殺すには惜しい人物」と評されている。ミラルパに忠誠を誓いつつも、国と民の事を第一に考える良心的な人物で、あらゆる実務で有能だが、職業柄恨みを買うこともある。
マニ族僧正(原)
マニ族の長で、神聖皇弟より北上作戦の先遣隊として派遣されていた。宗教上の理由から光を捨てた盲官である。王蟲を使ってクシャナの艦隊を壊滅させたものの、王蟲を止めたナウシカが古き伝承にある「青き衣の者」であると感じて作戦を中断し帰還、土鬼軍の作戦に自滅の危険性があることを説いた。ユパ達を逃がす為に壮絶な最期を遂げるが、死後もナウシカを守った。その超常の力は神聖皇弟に並ぶほどだった。神聖皇弟と同じく神聖語を扱うことができる。
ケチャ(原)
マニ族の娘でエフタル語を解する。気性は激しい。僧正の死後、アスベルやユパと行動を共にする。当初は僧正を死に追いやったユパ達と対立していたものの、徐々に打ち解けていった。トルメキア人の抹殺を訴える過激な者が多いマニ族の中で、ナウシカや僧正、ユパ達と接してきた為、トルメキア人を嫌っているものの、無益な争いは避けるべきとの考えを持っている。
チクク(原)
先の土鬼王朝であるクルバルカ家の末裔の少年。本名ルワ・チクク・クルバルカ。砂漠の中のオアシスで土着宗教の僧達とともに暮らしていた。粘菌を積んだ土鬼の戦艦が瘴気を撒き散らしたせいでオアシスに蟲が来襲、腐海に没する危険があった為、ナウシカとともに脱出し、以降は彼女と行動を共にする。メーヴェに乗っていたナウシカを土着伝承の「白き翼の使徒」と確信し慕っている。非常に強力な超常(念話)能力を持っているが、幼さゆえに能力をもてあまし気味で、彼らを庇う僧会の僧チヤルカを慌てさせる。人と接する機会が少なかった為、目上の人物に対しても敬語は使わない。吹き矢を武器として使う。
上人(原)
ナウシカが敬愛する人物で、チククと共にオアシスに隠れ住んでいた土着宗教の僧達の唯一の生存者。他の僧と共に、墓である祠の奥に暮らしていた。マニの僧正と同じく宗教上の理由から盲となっている。ナウシカに、神聖皇帝に追放されこの地に来たことや、土着宗教の古き教えを聞かせる。ナウシカに大海嘯を止める手段を問われると、「滅びは必然であり、世界が生まれ変わる試練」と答えた。「優しく、猛々しい風」が来たのを確信すると同時に老衰で死亡。この後、ナウシカの前に出現する「虚無」が彼と同じ姿を取ったが、それは諦めが強く出たナウシカの心が作り出した幻影であり、上人の本性ではない。

森の人[]

セルム(原)
「森の人」の長の息子。腐海の異変を調べるために派遣された。腐海に墜落したユパ達を救い、ナウシカを導く。
セライネ(原)
セルムの妹。ユパ達を救った時にケチャと仲良くなっている。王蟲の群れを単独で追うナウシカと会い、壊れていたナウシカのマスクを修繕した。

その他[]

オーマ(原)
巨神兵の一個体。ペジテ市の地下で発見された骨格から再生し、ナウシカから「オーマ」の名を授けられる。詳細は巨神兵を参照。
庭の主(原)
シュワから20リーグ[3]ほど離れた廃墟に偽装された集落に住むヒドラ。1000年以上生きており、ほかのヒドラ達と共に、古の詩や曲、古代の生物などの、科学文明が本格化する前の文化を伝えるため、科学文明消滅期に人類によって作られた者である。その後汚れた人類と腐海が消滅し、世界が清浄に戻った後、その庭に伝えられる物を世界に戻す「種」の役割を担っている。優しく、そして残酷であり、瞬時に人の心を探る能力を持ち、訪れた人の心に入り込み、悲しみや苦痛を忘れさせ呪縛してしまう。決まった姿を持たず、ナウシカの前に現れた際、最初は端正な顔立ちの男性だったが、次いで母親に似た女性の姿となった。
墓所の主(原)
シュワの墓所の地下最深部に存在する球形の肉塊。旧世界の高度な技術や腐海の秘密を守り続ける一種のバイオコンピュータで、夏至と冬至の年2回、1行ずつ表面に古代文字が浮き出てくる。教団はこの文字が示す新たな知識の研究に明け暮れる。
彼も又ヒドラであり、1,000年前に文明社会の終わりを自覚した人類によって作られた神の一つ。庭の主とは好対照を成すものであり、科学技術を含めた人類文明の全てを内に秘め、それに基づいた人類の再興を「希望」と位置付けている。強力な精神操作能力を有しており、協力を拒否したナウシカとヴ王を己が求める希望の敵として抹殺しようとしたが、ナウシカに導かれたオーマに破壊される。体液は王蟲と同じ成分で、より深い青色をしている。
教団(原)
シュワの墓所を守り、歴代の土鬼王朝に科学技術を提供してきた科学者の総称。正体はヒドラであり、頭巾をかぶって顔を隠している。表舞台に出てくる博士は、神聖皇帝との取り決めに従い僧会に提供された下人。彼らは自らを「墓所の主の下僕として中に住むことを許された選民」と語っている。選民思想が強く、墓所の主に従い、下人を除いて世俗権力には上から物を言う態度を取る。

脚注[]

  1. 『ロマンアルバム・エクストラ(61) 風の谷のナウシカ』 徳間書店、1984年、p.166。
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 『ロマンアルバム 映画 風の谷のナウシカ GUIDE BOOK 復刻版』 徳間書店、2010年、pp.34 - 35。
  3. 作中の単位。1リーグは約1.8km。
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