テンプレート:独自研究 『平成狸合戦ぽんぽこ』(へいせいたぬきがっせんぽんぽこ、正式タイトル総天然色漫画映画 平成狸合戦ぽんぽこ、英題:Pom Poko)は、1994年7月16日公開のスタジオジブリ制作の劇場アニメ作品。原作・監督・脚本は高畑勲。
開発が進む多摩ニュータウン(多摩市)を舞台に、その一帯の狸が化学(ばけがく)を駆使して人間に対し抵抗を試みる様子を描く作品。数年に1度、日本テレビ「金曜ロードショー」枠で再放送されている。スタジオ内の初のCG使用作品でもある。
日本で「ジブリがいっぱいCOLLECTION」シリーズとして発売されたセルビデオは、40万本を出荷した[1]。
テンプレート:ネタバレ
あらすじ[]
多摩丘陵で静かに暮らしていたタヌキたち。しかし、高度経済成長の波に乗った人間は、多摩丘陵を切り開き、ニュータウン建設をはじめた。
自然への畏怖を忘れた人間を懲らしめ、静かな生活を取り戻すため、タヌキたちは長く忘れられていた力「化学(ばけがく)」を駆使し、四国と佐渡から狸の長老を招いて人間への抵抗を行う。
抵抗の手段は、当初一部の過激派による開発業者のトラック等への妨害行為により人間の死亡者が出る等の打撃を与えるが、次第に不可思議な現象を目の当たりにさせることで人間の畏怖を引き出そうという方向に変化していく。
タヌキ達独自の年号を「ぽんぽこ○年」としている。これは昭和○年と同じであるテンプレート:要出典。
化学[]
字面は科学の分野の一つである化学(かがく)と同じであるが、こちらは人を化かす技のことであり、「ばけがく」と読ませる。ただし、科学の分野では科学と化学を区別するために後者を「ばけがく」という場合もあるので、少々ややこしい。
テンプレート:独自研究ここで語られる化学は人を脅かし、あるいは見誤らせる技術全般を指し、擬態のより高度なものであるという。狐の使う術もこれに当たる。内容的には変身術が中心であるが、海坊主に化けたときには大水を出して陸の人をおぼれさせたりしているから、感覚全般を惑わすものであるらしい。映画中で演じられる様々な化かし方は、その大部分がきわめて伝統に則ったものである。また、雄の狸は陰嚢を百畳まで広げられるし、これを様々に変形させて非常に効果的に使用する。頭に葉を乗せることで変身するとの伝承があるが、これは初心者のすることである由。
キャッチコピー[]
- 「タヌキだってがんばってるんだよォ」(糸井重里)
キャラクター[]
- 語り
- 終盤で、正吉が回想して語っていることが判明する。
- 正吉
- 本名影森の正吉。冷静な性格で思考が人間臭い。狸たちの実質的なリーダー的存在。
- おキヨ
- 本名縁切り寺のキヨ。正吉の妻となる。なお、正吉とおキヨが演じた「双子の星作戦」の名称とその時の台詞は、宮沢賢治の童話「双子の星」からとったものである。
- 鶴亀和尚
- ぼたもち山万福寺に住み着く狸。年齢は105歳。僧侶らしく、術による作戦で人間の命を奪った形となった際は手厚く供養をしている。
- おろく婆
- 本名火の玉のおろく。若手狸の変化の講師を担当する。
- 権太
- 本名鷹ヶ森の権太。血の気が多く、故郷の森を奪った人間を激しく憎んでいる。最期は機動隊を相手に奮戦するも敗北、その後仲間と共にデコトラに轢かれて「人間には敵わない」と言い命を落とす。
- 青左衛門
- 鈴ヶ森の長老。権太とはライバル関係にあるが、森の危機から共に手を携える。
- ぽん吉
- 正吉の幼馴染。変化できない普通の狸。怠け者だが、温厚で狸らしい性格の持ち主。
- 文太
- 本名水呑み沢の文太。二つ岩団三郎狸をたずねて佐渡へ旅立ったが…。
- 玉三郎
- 本名鬼ヶ森の玉三郎。四国に旅立ち、後に小春の夫となり金長の跡目を継いだ。男前な狸。
- 佐助
- 眼鏡をかけたインテリ風の変化狸。頭脳明晰。
- 六代目金長
- 徳島県小松島市にある金長大明神(金長神社)の主。小春の父親。
- 太三朗禿狸
- 屋島に住む狸。年齢は999歳で、屋島の戦いの那須与一を見物していたという。
- 隠神刑部
- 愛媛県松山市の狸で、八百八狸を統率している。江戸時代には松山藩の御家騒動に関与した。妖怪大作戦で力を使い果たし命を落とし犠牲になる。
- お玉
- 権太の妻。彼女は彼のことをとても心配していて、彼が変身スキルを向上させるのを助け、群衆に踏みにじられた後、彼を健康に戻すのを助けました。映画の終わりに、彼女は彼の墓を訪れ、2つのビール缶とハンバーガーをそこに置きます。
- 小春
- 六代目金長の一人娘。玉三郎との間に、三匹の子狸を儲ける。
- 花子
- ポン吉のガールフレンド。
- お福
- 正吉達の仲間の雌狸。
- 林
- 神奈川県藤野町(現・相模原市)に住む狸。「藤野町」を「ふじのちょう」と言っているが、現実には「ふじのまち」と読む。なお、相模原市が政令指定都市に移行するまでは相模原市藤野町(ふじのちょう)となっていたが、政令指定都市移行に伴い藤野町表記は消滅している(現在は「緑区」)。
- 竜太郎
- 多摩堀之内の変化狐。狸同様土地開発で住処を失い、人間として生活している。金長に接触し狸達に人間として化け社会に出るように勧める。
- 水木先生
- 狸たちが行なった化かしを超常現象として扱っているテレビ番組に出演したコメンテーター。漫画家の水木しげるをモチーフにしたと思われる。
声の出演[]
他のジブリ作品と同様、俳優が多く起用されている。また、落語家や、ベテラン俳優が数多く出演している。なお高畑は日本のアニメでは珍しいプレスコを用いることが多い。
キャラクター | 日本語版 | 英語版 |
---|---|---|
語り | 3代目古今亭志ん朝 | モーリス・ラマーシュ |
正吉 | 野々村真 | ジョナサン・テイラー・トーマス |
おキヨ | 石田ゆり子 | トレス・マクニール |
鶴亀和尚 | 5代目柳家小さん | アンドレ・ストウカ |
おろく婆 | 清川虹子 | トレス・マクニール |
権太 | 泉谷しげる | クランシー・ブラウン |
青左衛門 | 三木のり平 | J・K・シモンズ |
ぽん吉 | 林家こぶ平 | デヴィッド・オリヴァー・コーエン |
文太 | 村田雄浩 | ケビン・マイケル・リチャードソン |
玉三郎 | 神谷明 | ウォレス・カース |
佐助 | 林原めぐみ | マーク・ドナート |
六代目金長 | 3代目桂米朝 | |
太三朗禿狸 | 5代目桂文枝 | ブライアン・ジョージ |
隠神刑部 | 芦屋雁之助 | ジェス・ハーネル |
お玉 | 山下容莉枝 | ルシー・テイラー |
小春 | 黒田由美 | オリヴィア・ダボ |
花子 | 永衣志帆 | |
お福 | 水原リン | |
林 | 加藤治 | ブライン・ポゼーン |
竜太郎 | 福澤朗 | ジョン・ディマジオ |
水木先生 | 藤本譲 | |
地元の人 | 北村弘一 | |
正吉とおキヨが化けた子供 | 稲葉祐貴 江碕玲菜 |
|
屋台の客 | 矢田稔 中庸助 |
|
警官 | 森川智之 岸野一彦 |
|
狸を見た兄妹 | 林優 児玉英子 |
|
機動隊員 | 藤巻直哉 | |
キャスター | 阿川佐和子 井口成人 |
マーク・モーズリー |
アナウンサー | 辻よしなり 石川牧子 岩隈政信 永井美奈子 保坂昌宏 舛方勝宏 |
マーク・モーズリー |
その他の狸 | 佐久間レイ 鈴木弘子 菅原淳一 石川ひろあき 坂東尚樹 関智一 西村智博 峰あつ子 高山みなみ |
音楽[]
テーマ曲[]
- ぽんぽこ愛のテーマ:『アジアのこの街で』(歌:上々颱風、作曲:猪野陽子、編曲:上々颱風、古澤良治郎、作詞:紅龍)
- エンディング:『いつでも誰かが』(歌:上々颱風、作曲:紅龍、編曲:上々颱風、作詞:紅龍)
スタッフ[]
- 製作:徳間康快、氏家齊一郎、磯辺律男
- 企画:宮崎駿
- 原作・脚本・監督:高畑勲
- 音楽:紅龍、渡野辺マント、猪野陽子、後藤まさる(上々颱風)、古澤良治郎
- 画面構成:百瀬義行
- 作画監督:大塚伸治、賀川愛
- 美術監督:男鹿和雄
- 音響監督:浦上靖夫
- 整音:大城久典
- 整音助手:山本寿
- 制作:スタジオジブリ
- 配給:東宝
- 協力:多摩市・多摩市教育委員会
- 時間:118分
賞歴[]
- 第49回毎日映画コンクールアニメーション映画賞
- アヌシー国際アニメーション映画祭 長編部門グランプリ(1995年)
脚注[]
- ↑ 日経BP社技術研究部 『進化するアニメ・ビジネス―世界に羽ばたく日本のアニメとキャラクター』日経BP社、2000年、47頁。ISBN 4822225542
関連項目[]
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