「ルージュの伝言」(ルージュのでんごん)は、荒井由実(ユーミン) の5枚目のシングル。1975年2月20日に東芝EMIからリリースされた。

解説[]
- 6月20日に発売された、3枚目のオリジナルアルバム『COBALT HOUR』のA面5曲目(CDでは5曲目)に収録されている。
楽曲[]
ドラムスの所謂フェイド・インで始まり、バック(コーラスと演奏)のフェイド・アウトで終わる曲。特にドラムスによるフェイド・インは、この曲の全体を支配する軽快なイメージを予感させている。シンプルな基本4コードの進行。ヴォーカルとコーラスに、楽器はギター、ピアノ、ベース、ドラムス及びバイオリンの比較的簡単な構成である。また、全体のバック(コーラスと演奏)は基本に忠実なパターンを繰り返している。
西洋風の作詞・作曲・編曲を目指しているようであるが、根本的に日本的音楽の影響を強く受けている。ヴォーカルはほぼ「ヨナ抜き節」で特にサビの部分は99%そうである。メインのパートではリフレインまでは「ヨナ抜き節」であるが、続くパートでは逆に「ファ」と「シ」を多用したメロディー進行になっている。すなわちこの「ファファソラ・ソラシソ・ド」という進行は、他に類をみない(日本調一杯の)独特なものである。総合すると、西洋式の日本建築風音楽である。
内容は「夫に浮気をされる」という悲しいものだが、一方で「列車に乗って街並みを追い越す」あるいはタイトルどおり「ルージュの伝言」等、歌詞も曲と同様に、軽快な調子で貫かれている。
宣伝活動等[]
このシングルの発売に先立ち、東芝EMIによりラジオを主体に、楽曲の一部とともに「都会派」の音楽とのコピー(宣伝)が、繰り返し流された。また、これを聞いた吉田拓郎は、『オールナイト・ニッポン』で、「この音楽はウーム」(恐らく驚いたの意味であろう)との発言をした。
収録曲[]
- Side A ルージュの伝言
- Side B 何もきかないで
- 作詞・作曲:荒井由実 編曲:松任谷正隆
参加ミュージシャン[]
- エレクトリック・ベース:平野融
- エレクトリック・ギター:大野久雄
- ドラム:平野肇
- キーボード:吉原真紀子
- コーラス:山下達郎、大貫妙子、吉田美奈子、伊集加代子
映画『魔女の宅急便』[]
映画『魔女の宅急便』(1989年)オープニングテーマソングになった。 なお、1983年1月31日、角川書店から発売された松任谷由実の自伝のタイトルも「ルージュの伝言」である。